離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

糖質制限ダイエットにはMCTオイルを!!

近年ダイエットなどで話題の『MCTオイル』

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正式名称は、

Medium-chain triglyceride(中鎖脂肪酸トリセリグリド)という。

ココナッツや魚に含まれる。

 

ダイエットにどんな効果があるのか?

  1. 脂肪燃焼スイッチの切り替え
  2. ケトン体生成による糖質制限効率化
  3. 満腹感の持続

 

中鎖脂肪酸の特徴である「エネルギー源として吸収されやすい」ことと「脂肪分解を促進してくれる(ケトン体を生成してくれる)」

 

ここで少し余談。

私は、1週間『断食』をしたことがある。

断食後のカラダのメカニズムを自分なりに調べて、1週間と期限付で始めた。

最初24時間でブドウ糖を使い切る。ブドウ糖が減少してきたタイミングで血糖値が下がり始めて空腹感に襲われるがまだ大丈夫。

次の48時間でグリコーゲン生成のために、脂肪からグリコーゲンを作成する糖新生が行われる。ヒトのカラダは血糖値を上げるホルモンはたくさんあるので、飢餓には満腹よりなれている。はずだが、当初計72時間はその切り替えがうまくいかないため(普段はグルコースが足りなくなったら、グルコールを補っているため脂質の異化に慣れていないと自覚している)、耐えがたい空腹感に襲われる(しかし、低血糖には到底ならない)。そして、72時間を超えた辺りから、無の境地と言わんばかりに空腹感から解放され、

「食べるっっって、、なに?」

と食事という概念すら否定したくなる。

この頃はきっと脂肪や蛋白の異化にカラダが慣れ、

どんどん体重が減少し、

ダイエットが成功する。

しかし、このまま食べないといつまでも食べないでいられる恐怖感が芽生え始めたことも有り、予定通り1週間で終了した。

体重は10kg程度減少した。

8日目に健康診断にて尿検査があり、脂肪分解の副産物であるケトン体が陽性を危惧したが、尿中ケトンは陰性だった。

が見事にリバウンド。

 

本題に戻る。

カラダに蓄積されている脂肪、いわゆる長鎖脂肪酸であるが、

長鎖脂肪酸(サラダ油等)は、吸収されると静脈やリンパ管を通り、脂肪・筋肉・肝臓で一回吸収・貯蔵される。ストックされた長鎖脂肪酸は、優先的に使用されるグリコーゲン(貯蔵エネルギー)が減少して初めてエネルギーとして使用される特徴があるので、グリコーゲンを消費しないと燃焼されない。

そのため、苦しいわりに成果が見えづらく、ダイエットが成功しにくい。

 

次にケトン体

ケトン体は、脂肪が分解されたとき肝臓から作られるエネルギー物質の総称で、

『アセト酢酸・βーヒドロキシ酪酸・アセトン』である。

本来主力エネルギーのブドウ糖が減少した時、2番手として脂肪が分解され始め、ケトン体が排出されブドウ糖と同じように作用される

絶食時のケトン体の脳活動における利用率は全体の60%だそう。

 

そのため、糖質制限ダイエットのメカニズムは、

『体内のブドウ糖を減らし、脂肪が燃焼される順番を早める』

ことで体重減少を目指すということ。

 

しかし、ここからは上記の常識を覆す中鎖脂肪酸のパワー

 

 

L-カルニチンがなくてもミトコンドリア膜を通過できる特徴があり、長鎖脂肪酸と異なりリンパ管を経由せず血管から肝臓に流れる特徴がある。

つまりMCTオイルの中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸とは違い脂肪になりづらく、ブドウ糖より優先的に吸収されエネルギーとして吸収される。

 

どういうことか。

体はまずエネルギー効率の高い中鎖脂肪酸から使用していくことで、貯蔵した脂肪まで燃焼しやすくなるらしい。

しかし糖質制限していないとブドウ糖消費を優先させてしまうので、カラダをだまし続けるためにも糖質制限とのコラボが効果的。

さらに、脂肪を優先しエネルギー源にすることで、体内にはブドウ糖が残存し満腹感も継続する!

もちろん、適度な有酸素運動をすれば、脂肪燃焼モードなので運動がそこまで辛くなく、脂肪燃焼効率も増加する

 

療養病棟での長期経腸栄養患者にMCTオイルを使用すると、髪の毛が若々しくなったり肌つやがよくなるそう。褥瘡の経過も改善するとか。

 

栄養吸収の悪い短腸症候群でも、中鎖脂肪酸が相乗効果で長鎖脂肪酸を1:1で吸収、燃焼してくれるメカニズムがあり、半々で摂取するとエネルギー吸収が良いとのこと。

 

すごい、MCTオイル

 

 

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NP・研修医 おすすめ本⑫ 成功するためのノウハウ

AI分析でわかった トップ5%社員の習慣

Discover


 

 

 

 

 

ふと書店に立ち寄りたまたま手に取ったこの1冊

 

この本は、医学書ではなくビジネス本

 

一般社員の中から優れた5%社員の働き方や考え方を紹介してくれている

 

この本を立ち読みしていて、一般社会の話から看護師業界とリンクし、更にはその5%社員がNPと被る点が多いなぁと思い、思わず購入した

 

この本には、優れた5%社員の考え方や名言がわかりやすく登場する。

一部紹介すると、

『5%社員は人一倍向上心がある』

ここから既に、日常の看護業務からの脱却を目指したNPとリンクする

 

そんな5%社員から、NPとして成功するノウハウを学ぶことができる

 

世の中満足する仕事に就くことができているNPは50%程度と言われている。体感的にはもっと少ない。

それは、定まらない働き方の影響で扱いが難しい施設側の要因もあるが、受け入れてもらうNP個人の問題も大きいのは過去にも紹介した

 

 

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上手くいかない時に、個人の考え方を変えたり集団を動かすためにはどうしたら良いか?

 

『役職が付くと知識をひけらかしたり他人を下に見たりしてしまいがちだが、むしろ謙虚で更に質の高い知識を習得しようとする』

『意識を変えて行動するのではなく、行動を変えることによって意識が変わる』

『事前にヒアリングをしっかり行い顧客のニーズをしっかり掴み、それと自分たちの要望を近づけて情報を供給する』

『フィードバッグを得ようと自発的に行動する』

『高い目標を立て達成感で満足する』

 

成功して今の働き方に満足しているNPも、二進も三進もいかずフラストレーション満載のNPも上記の格言に心当たりがある人は多いのでは?

 

NPに進学した人や進学したい人は、少なからず看護業界で5%ナースになれる素質を持っている。

真の優れた5%ナースになるために、是非この1冊をバイブルとして読んでいただきたい。

 

 

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自衛隊島外搬送でのNPの役割

離島医療において、搬送はなくてはならない最終手段である。

 

日中はDr.ヘリに医師、看護師同乗で来島してくれるので、離島スタッフの同乗の必要は無い。

しかし、悪天候や夜間などDr.ヘリが飛べない時間帯は、自衛隊ヘリが搬送手段となる。

自衛隊の航空機には医師、看護師が同乗していないので、離島病院の医師、看護師が1人ずつ同乗するシステムとなっている。

 

まず、症例としては、

#大動脈解離stanfordA

#SAH

#壊死性筋膜炎

#急性喉頭蓋炎

などなど、一般的に緊急対応が必要だが、離島では即治療ができず治療を完結できないことが見込まれる症例が島外搬送の対象となる。

 

そして、島外搬送が決定したら、次にどうやって搬送するかを決定する。

 

時間的猶予があるなら、民間機(JAL)でスタッフ1名が付き添う

時間的猶予がなければ、Dr.ヘリか自衛隊ヘリとなり、スタッフ2名が付き添う

 

時間的猶予がなくても最短で来島するのに1時間程度要すため、搬送するかしないかの迅速な判断と転院先までの2時間あまりのvital sign維持に全力を尽くさなければならない。

 

Dr.ヘリは前述の通り、医師同乗で来院してもらえるので、直接申し送り連れて行ってくれるからありがたい。

なので、自衛隊搬送に関して紹介。

 

搬送の段取りとしては、病院にはヘリポートがないため、近くのDr.ヘリ専用ヘリポートか空港に救急車で搬送する。(近くのヘリポートまで10分程度かかるため、よほどの際は、病院前の港にヘリを着陸させることもあったようだが、小石などの飛散被害にてあまりされていない)

 

自験例として自衛隊セスナでの搬送がある

ヘリ経験は無いので詳細は不明だが、当然医療設備は何もない

(点滴をかけるフックがあるくらい)

そのため、自らvital signや意識レベルを確認しなければならないが、通常のフライトのようにシートベルトで座席固定されてしまうためそこまで身動きも取れず、プロペラやエンジンの激しい騒音で声かけもままならない。

『座席に固定されるため身動きは取れず、会話困難』

 

患者さんはストレッチャーに固定されるが、激しい揺れで点滴ラインもブンブン振り回され外れそうな程

(エアーが混入しそうな程揺れていたが、チャンバー内は遠心力が働きなんら問題は無いのは驚いた)

『点滴ラインは激しく揺れるので接続注意』

 

もし、血圧低下、酸素化低下、意識レベル低下などあれば、機内で緊急処置を要すことになるが、激しい揺れの中少ない明かりという状況で気管挿管はおろか点滴1本とるのも困難な状況であり、やれることは祈ることくらい。(まだ幸運にも緊急処置を経験したことはない)

『機内の悪環境・揺れる!暗い!声が聞こえない!』

 

そしてなんとか搬送先のヘリポートや空港に着陸し、病院外であれば再度救急車で病院まで搬送する。救急車内での救急隊の対応やモニターは本当に安心する。

『救急車内の設備に感動』

 

そしてばたばた転院先のスタッフへ申し送り終了。

同乗したスタッフは、ホテルで1泊し翌日の民間機で帰島となる。

 

当院の場合、島外搬送する同乗医師は、離島研修できている研修医2年目が中心となっている。

そのため、実際に気道確保が必要な状況の判断や手技、カテコラミンの調整などに不慣れな研修医1人で全て判断・実施する必要があり、補助を行う看護師は、普段から麻酔業務に携わり重症症例管理などをしているNPが同乗した方が、気管挿管の際のサポートや代行、心肺蘇生時の判断など動けることが多いと思われる。

『看護師枠として待機し同乗するNPは、医師の力強いサポート役となっている』

 

他にも部署所属の看護師が同乗すると、その日の内に帰ってくることはできないため、多かれ少なかれ勤務調整が必要となる。

それに比べ、医局や看護部長室など組織横断的に所属しているNPは、指導医などに業務を依頼できるので、勤務調整の必要が少なく周辺の看護スタッフにはあまり影響が出にくいというメリットがある。

 

1つの機体の中では1人の命のタスキをつなぐために、研修医と協力してお互いやれることをやるしかない状況で有り、診療の補助としてNPの役割は相当大きいものとなる。

そういう意味でも、島外搬送が欠かせない離島医療におけるNPの需要は高まるだろう。

 

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医療の進歩 ステントグラフトと人工血管置換術

私が心臓外科病棟にいたのは10年も前になる

10年も経てば医療は進化する

今回は、医療の進歩を実感した体験を少し

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動脈瘤は部位により胸部大動脈瘤あるいは腹部大動脈瘤と呼ばれ、治療法としては、人工血管置換術もしくはステントグラフト内挿術(血管内治療)がある。

ステントグラフト内挿術は、胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤に対して、その当時より広く用いられてきた手術方法。

 

胸部であればTEVAR(thoracic endovascular aortic repair)

腹部であればEVAR(endovascular aortic repair)

動脈瘤自体はなくならないが、ステントグラフトを留置することにより動脈瘤内への血液流入を防ぐことで動脈瘤の破裂を防ぐことができる。

 

人工血管置換術との違いは、

人工心肺を用いる人工血管置換術と比較し、ステントグラフトは大腿動脈を切開・縫合するだけで挿入が可能。

 

『侵襲度』が全然違う!

 

侵襲度が違うと、 

高齢者や併存疾患により従来の開胸もしくは開腹による人工血管置換術が困難な場合でも施術が可能となり、救える患者さんが増える。

入院日数も1週間程度で、術翌日から歩行可能・食事摂取可能となる。

 

ただし、動脈瘤の位置および周囲の血管性状によりステントグラフトが挿入できない場合がある。

特に、腕頭動脈、総頸動脈、鎖骨下動脈が分岐している弓部大動脈瘤には、主要3本の血管を含めた全血管置換術(上行・弓部大動脈置換術(total arch replacement))
が用いられてきた。

 

ここで医療の進歩

 

そんなやっかな弓部大動脈瘤に対して、ステントグラフトでの治療が可能になった。

それが、

Debranch TEVAR(Thoracic Endovascular Aneurysm Repair)

debranch(デブランチ)とは、枝を本来の位置から外すという意味

 

上行動動脈から腕頭動脈を超えた所をZone0

腕頭動脈分岐部から左総頸動脈を超えた所をZone1

左総頸動脈分岐部から左鎖骨下動脈を超えた所をZone2

というように大動脈をZone4までzoningし、

ステントグラフトを留置した際に、ステントグラフトでつぶしてしまう主要3血管のいずれかを別の人工血管でバイパスをするという、透視下処置(ステントグラフト)と外科処置(バイパス術)をmixさせたハイブリッド手術である。

 

遠位弓部大動脈瘤で一番遠位の「左鎖骨下動脈」だけがステントグラフトにかかってしまう場合は、1本だけバイパス術をして他の血管か「左鎖骨下動脈」に血液を流してあげれば良いし、

一番近位の「腕頭動脈」までステントグラフトを置かないといけないような大動脈瘤には、腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈全ての血管に、バイパス術を要するため、人工血管は3本必要となる。

 

バイパス術で使用する人工血管の数の違いで、

1本なら、1 debranch

2本なら、2 debranch

3本なら、3 debranch(total debranch)

という。

 

ただ、ステントグラフトのもう一つの問題点として、『エンドリーク』というものがある。

エンドリークは、ステントグラフトの留置部位のずれや血管の形状などで、ステントグラフトから動脈瘤内へ血流が流入する現象を指す。

動脈瘤内への血流を防ぐために挿入するのだから、防げなければ意味が無い。

 

とくに3本もバイパス術が必要な大きな弓部大動脈瘤には、侵襲度やエンドリークの問題もあり人工血管置換術が選択されることが多く、この便利なdebranch法も1本か2本が良く行われている。

 

他にも数種類の治療法が行われているが、今回はざっくりdebranch TEVARのみ

one debranch TEVAR「通称ワンデブティーバー」

 

 

 

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感染対策○コスパ○ ディスポの内視鏡!?! 

離島にはもちろんないが、2019年10月1日より世間ではシングルユースの気管支鏡が発売されていた!

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画像:Ambuサイトより引用

 

 

製作元はAmbu社

しかも第4世代のシングルユース気管支鏡らしい

 

感染対策とはいえ、なんでもディスポ・ディスポになっていくのがすごい

ディスポの使いがっての良さは、なんと言っても後片付けの手軽さ

手軽に使えるとなると使用頻度は増えるだろう

 

経口挿管患者で吸引でうまく痰がとれない

気管切開患者でTVが入らない

術後患者の無気肺

使用頻度は多様

 

そうはいっても、ディスポ内視鏡・・・内視鏡のハンドルやライト、素材、、、

うーん。。どう考えてもお高そう。

しかし、コスパはいいらしい。ほんとか?

 

以下商品カタログ

臨床現場のワークフローを改善し、気管支鏡検査・処置における感染リスクを低減します。 また医療経済性に優れ、内視鏡の再利用に関する再生処理コストを削減し、病院の収益改善に貢献します。新しいAmbuスコープ ブロンコは、ソリューションの幅を広げることが期待できます。 Ambuスコープ ブロンコは被写界深度、適応光制御が改善され、操作上の感度が向上したことにより、全世界の気管支鏡適応症例を従来の300万症例から450万症例へと、50%以上アップさせることが期待されています。 Ambuスコープ ブロンコは、ヨーロッパ各地の気管支鏡の専門医と共同で開発され、現在、ヨーロッパ、オーストラリア、米国およびアジアの一部の市場で販売されています。

【製品概要】

Ambu スコープ ブロンコには、スリム・レギュラー・ラージの3サイズがあり、専用モニター(Ambu エービュー)に接続して使用します。 患者さんの安全と院内ワークフローの向上に役立つ、高品質なシングルユースのビデオ軟性気管支鏡です。 手術を始めとしたさまざまな処置にお使いいただけます。

 

 

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認知症対応力!?認知症ケア加算 40点~160点

令和2年度診療報酬にて改定された新たな認知症ケア加算

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そもそも認知症ケア加算とは、認知症による行動・心理症状や意思疎通の困難さが見られ、身体疾患の治療への影響が見込まれる患者に対し、病棟の看護師等や専門知識を有した多職種が適切に対応することで、認知症症状の悪化を予防し身体疾患の治療を円滑に受けられることを目的として評価されている。

 

令和2年度の診療報酬改定では、2段階の評価から3段階の評価(認知症ケア加算1~3)となっている。

 

1~3の違いだが、

まず、認知症患者の診療に十分な経験を有する専任の常勤医師や常勤看護師を配置する必要があること

医師は常勤の3年以上又は研修を修了した常勤の精神科・神経内科

看護師は5年以上且つ600時間以上の研修修了していて、原則週16時間以上、チーム業務に従事などが条件にあたる。

他、専任の常勤社会福祉士又は精神保健福祉士

 

全員揃うと認知症ケア加算1、医師、看護師どちらかだと加算2、3は不要といった感じ

 

さらに、原則として、全ての病棟に、研修を受けた看護師を3名以上配置 

上記専任の医師又は看護師が、認知症ケアの実施状況を把握・助言のために、「認知症ケアチーム」の設置や定期的カンファレンスの実施、病棟巡回等定期的な認知症ケアの実施状況の把握と病棟職員への助言が必要

 

そのほかにも、マニュアルを作成したり研修を定期的に行ったりと診療報酬を得るにはたくさん必要

 

しかし、逆の発想をすると、

 

認知症患者のためにはこれくらいやりましょう。』

 

というメッセージかもしれない。

 

この先高齢化率が上昇する日本において、認知症ケアはどの診療科にも必要な知識になると思う。

自分の親が認知症になったら、

自分の祖父母が認知症で困っている、

こうした身内に行えるようなケアを患者にも提供していきたい。

 

 

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麻酔の壁 What's フルストマック

予定手術の患者は、胃内容物をなくし麻酔中の嘔吐、誤嚥を防止するために、術前は絶飲食となる。

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フルストマック(ful stomach)患者とは、

『緊急手術で絶飲食時間が不十分である患者』のこと

 

イレウスなどの通過障害のある患者妊婦などもこれに該当する。

 

緊急手術患者においては、最終飲食から時間が経過していても、発生時点(事故発生時等)から腸管の動きが低下することが有り、フルストマック患者として扱う必要がある。

フルストマック患者を疑った場合は、麻酔導入前に胃超音波を用いて胃内の液体や固体を確認することもある。

 

CQ:フルストマックの麻酔導入はどのようにすれば良いか?

麻酔科医はよく『クラッシュ挿管』『クラッシュ麻酔』という

※日本でのみ使用されているらしい

 

正確には、輪状軟骨圧迫を併用した迅速導入

RSI:rapid sequence induction

である。

 

  • 十分な酸素投与を行う(自発呼吸下で6L/minで約3min)
  • チオペンタール3~5mg/kg投与orプロポ1~2mg/kgを用いる
  • 直後にロクロニウムを1.0~1.2mg/kg投与
  • 静脈麻酔薬投与直後から輪状軟骨部を約4.5kgの圧で圧迫
  • 筋弛緩薬投与後90secで挿管可能
  • 気管挿管確認後、輪状軟骨圧迫を解除

覚醒下挿管という方法もあるが、咽頭刺激が強く患者にとって少し辛い可能性

マックグラスやエアウェイスコープを用いると苦痛も少なく楽に可能

 

酸素6L/minというのは、診療報酬上の上限で6L/minらしい

 

 

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吸入麻酔と静脈麻酔の違い

現在の手術麻酔において、吸入麻酔と静脈麻酔を組み合わせたバランス麻酔や完全静脈麻酔など、それぞれ麻酔科医や診療看護師、麻酔看護師が症例に合わせて施行している。

それぞれの麻酔法のメリットデメリットを把握し適切な麻酔法を選択しなければ、安全な麻酔は成り立たない。

 

今回は、吸入麻酔と静脈麻酔の違いを簡単に

 

吸入麻酔薬

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  • 吸入麻酔薬はガス麻酔薬と揮発性麻酔薬の2種

   ガス麻酔薬はN2O:亜酸化窒素(笑気)のみ

   揮発性麻酔薬には、セボフルランやデスフルラン等がある

  • 薬物の投与経路(=気道)が確保されている
  • 気化器の設定濃度を変更することにより、容易に濃度を調節できる
  • 吸気呼気中の薬物濃度をリアルタイムでモニターできる

 

静脈麻酔薬

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  • TIVAはTCIにて患者状態に応じて細かく目標濃度を調節することが可能
  • 血中濃度のリアルタイムモニタリングは現実化していない

全静脈麻酔(TIVA:total intravenous anesthesia)

患者の意識を消失させ(導入)、その状態を維持するためにプロポを持続投与し、オピオイドによって術中の鎮痛を図る方法

 

標的濃度調節持続静注:TCI(target controlled infusion

プロポの濃度を理論的に予測しながら投与する方法

 

代表的な薬剤(吸入麻酔薬)

■セボフルラン

MACは成人で1.71だが加齢と共にMACは低下し、10歳上がると7.2%低下する

高齢者では20歳の半分まで低下することに注意

吸入器を指標に固定する方法や呼気濃度を1%になるように調節する方法がある

小児は2.5~3.3%

気道刺激性が少ないことが最大の特徴で、吸入導入が可能

筋弛緩薬の作用を増強し、単独でも筋弛緩作用を示す

血液/ガス分配係数が低い

→導入が迅速であることに加えて気道刺激性が少なく最もVIMAに適している。

 

▲腎毒性・痙攣・肝障害に注意が必要だが非常に稀

▲導入途中で興奮状態になることがある

最小肺胞濃度(MAC:minimum alveolar concentration)とは、皮膚切開を加えたときに50%のヒトで体動が認められない最小の吸入麻酔薬の肺胞濃度(1気圧下)のこと

ED50%(50%有効量)に等しく、各吸入麻酔薬間の力価(強さ)を比較するのに適している

 

VIMA:volatile induction and maintenance of anesthesia

吸入導入後にそのまま揮発性麻酔薬で維持する方法

小児では麻酔導入前の静脈鹵獲補困難からVIMAが行われている

 

■デスフルラン

日本で最も新しい揮発性麻酔薬(2011年~)

血液/ガス分配係数や脂肪/血液分配係数(血液への溶解度)が最も小さく、麻酔終了後も速やかに肺胞より排出されるため、早期覚醒・回復が期待できる

→日帰り手術に有用

生体内代謝率0.02%と低く代謝産物による毒性リスクも低いため、肝・腎障害・痙攣リスクにおいて他より安全

▲気道刺激性と交感神経刺激作用があり小児や末梢静脈鹵獲補困難症例に対する吸入導入は不適当

▲麻酔からの覚醒が早いため、十分鎮痛対策を施しておかないとOP室から創部痛で苦しむ可能性

 

揮発性麻酔薬のまとめ

  • 揮発性麻酔薬には強い気管支拡張作用が有り、気管支喘息を合併した患者の麻酔管理では静脈麻酔薬よりも吸入麻酔薬が好まれる傾向
  • セボフルランによる吸入導入は静脈麻酔薬に比べて自発呼吸が残りやすく、挿管困難症例などに応用される
  • 揮発性麻酔薬には虚血プレコンディショニング作用があると考えられ、心筋虚血を起こす可能性のある患者における有用性が示唆される
  •  全身麻酔では揮発性麻酔薬単独で維持することは少なく、鎮静薬として吸入麻酔を行い、鎮痛薬はオピオイドや硬膜外麻酔を併用するバランス麻酔が一般的
  • レミフェンタニルと併用するセボの濃度は1.0%と記載されているが、術中覚醒に対する懸念から1.2~1.5%で維持することが推奨される
  • デスに関しては、BIS値50-60に維持するためにレミフェンタニル0.2μg/kg/minとの併用で2.8-3.3%で維持可能であったとの報告があるが、確実にするには3.6-4.0%以上の高めに維持する
  • 術中覚醒を回避するには、0.7MAC以下にならないようにアラームを設定する

 

代表的な薬剤(静脈麻酔)

プロポフォール

プロポの禁忌はプロポのアレルギーと大豆や卵黄のアレルギーがある人

標準的導入投与量:2~2.5mg/kg

高齢者・状態悪い症例:0.5~1mg/kg程度でも可

導入は速やかで数分以内に就寝

標準的投与量では多くの場合自発呼吸は抑制される

プロポで導入、セボフルランで維持は広く行われる

プロポは、術後悪心嘔吐(PONV)の頻度が低い利点がある

悪性高熱症の既往や素因のある患者では、引き金となり得る吸入麻酔薬は絶対禁忌であり、プロポの良い適応。

 

■レミフェンタニル

フェンタニルより血液や組織中で迅速に分解されるため、術中に高濃度を維持するように投与しても手術終了時に投与を中止すると短時間で濃度が減少し、自発呼吸が再開する

安定した濃度を維持するためには持続静脈内投与が必須

概ね0.1~0.5μg/kg/minの投与速度で十分に侵襲に対する生体反応(血圧上昇、心拍数増加、体動)を抑制することが可能

レミフェンタニルにて術後呼吸抑制の心配せず術中に十分な鎮痛を得ることができるが、術後の鎮痛は得られない

中等度以上の鎮痛が加わる手術では、麻酔覚醒時から術後早期の痛みを軽減するために、終了前に長時間作用性のオピオイドモルヒネorフェンタニル)かNSAIDsを投与しておくことが重要

オピオイドは鎮痛薬であり、全身麻酔にはセボかプロポの鎮静薬の併用が必須

 

静脈麻酔薬のまとめ

  • 末梢血管確保部位の固定、輸液ルートの接続を正確に行い、三方活栓部分の緩みや向きに気をつける
  • 静脈麻酔薬濃度のモニタリングは現実化しておらず、慎重な薬物投与と状態観察が必要
  • 脳波モニタリング bispectral index(BIS)などを参考にすることができる

 

だいたいこんな感じ

 

《まとめ》

気管支喘息患者 吸入麻酔>静脈麻酔 興奮注意

挿管困難症例 吸入麻酔>静脈麻酔 興奮注意

心筋虚血の可能性 吸入麻酔>静脈麻酔 興奮注意

悪性高熱症 吸入麻酔✕ 静脈麻酔○

セボフルラン 最もVIMAに適す 興奮注意

デスフルラン 日帰り手術に適す

 

 

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