離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

診療看護師(NP)の立ち位置の模索

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現在診療看護師NPの働くフィールドとして、

  • 都会の急性期大病院
  • 田舎の急性期病院
  • 慢性期病院
  • クリニック
  • 施設
  • 訪問看護ステーション

といったところであろう。

 

診療看護師(NP)は国の制度には至っていない(詳細は過去のブログを参照)が、制度化(※1)に向けて各々の施設に守ってもらいながら(医療安全的に)それぞれメリットを挙げエビデンスを示している最中である。

そのため、国の政策的にはグレーの部分がまだ多く、看護協会からはいくら施設の独自ルールに守られてるとはいえ、法律的にアウトな業務を制限し法整備に向けた調整の足枷にならないように、現行法に基づいた業務(※2)を徹底するように警鐘を鳴らしている。

 

(※1)海外のNPのポジションを日本で施行する為に制度設計を頑張っているのが、

ナースプラクティショナー(仮称)制度】 ≠診療看護師(NP)

 

(※2)海外のNPのように日本の診療看護師(NP)が、自らの診察や判断で『診断』や『処方』『処置』をしないようにということ

 

 

www.rito-np.com

 

 

しかしそうは言っても、国を動かす為に〇〇をして問題はなかった、〇〇は医師と同等の成績だった、〇〇をすれば他職種にメリットがあったなどといった、グレーゾーンに足を一歩踏み入れてみて、大丈夫、これも大丈夫とまるで石橋を叩いて渡っているようかの状況で進むしかなく、ただただ石橋の前で通行許可が出るのを待機するのは現実的ではない。

先に資格ができ制度化が送れたがための歪み…

 

そのため、それぞれ協賛してくれる院長や看護部長、指導医と独自ルールを作って活動をしている。

 

ある離島では、入院患者の急変や状態悪化の初動を、医師が対応できなければ(訪問診療中で不在、初療対応中、当直明けで不在等々色々な理由で不在ということがある) 診療看護師が対応して、診察、必要検査の判断、検査施行、アセスメント、診断まで行い、そこから医師にこれまでのプロセスと治療プランを提示し許可があれば処方する

もしくは、治療開始後に事後承諾をもらい、医師代行で行ったと言う口実にしている。

 

ある大病院では、専門診療科のチームの中に診療看護師が混ざり、カンファレンスで治療方針を共有し包括的な指示をチームで受け、それをもとに上級医の癖を考慮しながら研修医に仕事を振り分け指導し一部補助的に実践している。

 

現行法では後者の働き方が法律を遵守した綺麗な働き方とすれば、前者はグレーゾーンに足を踏み入れているアウトな働き方となる。

 

日本全体を見ても、critical領域のNPの人数が多く、働くフィールドも専門診療科に溶け込んで働いているNPが多い背景には、こうした制度の影響も大きいのではないか。

在宅など医師から離れたフィールドで活動するには、まだまだ守りきれないという問題が大きくリスクが高い。医師が少ない離島僻地でのNP不足も同様。

 

結局、医師不足の緩和、医師の働き方改革のために動き出した診療看護師制度であるが、現時点では医師の多いエリアでしか安全に活動できていない理由はまさにコレだ。

 

しかし、時代の流れは在宅医療にシフトしており、在宅などでprimary careを実践できるNPの必要性が年々求められている。

時間は刻一刻と進み、そうこうしている内に2025年を迎え、2030年、2040年と高齢化率は変化し医療需要や介護需要は変化していく。

たとえグレーの働き方でも患者に悪影響がなくco-medicalへ与える影響がプラスならば重宝されるし、なくてはならない存在となる。

 

今いるNPが安全に仕事をする為にも、

今後NPを志す人の為にも、

日本の医療を支える為にも、

もっと現場の声を聞き、NPの各学会での報告を真摯に受け止めて早急に進めて頂きたい。

 

 

 

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