離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

巻き爪治療のマイスター 略して巻き爪マイスター!!

褥瘡学会の企業展示で目を引いたのは、この『巻き爪マイスター』

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今までは、爪に穴を空けてワイヤーを通して・・・と面倒くさかった巻き爪矯正法

 

巻き爪治療には主に3種類の治療法がある

・テーピング法

痛い指側にテープを貼って食い込まない様にする対症療法

 

・矯正法

丸まった爪をどうにか伸ばして巻き込まない様にする方法

 

・根治術

局所麻酔で爪母細胞を殺すか切除して巻き込む部分の爪を生えてこなくする方法

 

 

島では、皮膚科と形成外科医がそれぞれ週1回応援に入る

矯正法は、ワイヤーの管理(外れた、折れた等)が困難なのもあり、対症療法的に2ヶ月程度毎に外来通院させ、嵌入部分をニッパーで切除する

外来通院が困難だったり、陥入爪を繰り返してしまうような症例には、根治術を施行している。

 

巻き爪マイスターは、見た目はただのバネに見える

コイルばねに内蔵された超弾性合金ワイヤーの弾性力で次第に爪が矯正されていくらしい

 

島で導入したいと感じた理由

  1. 装着が簡単(専用のペアン的な危惧で爪の両サイドに引っかければいい)
  2. 装着例ほぼ全例効果がある(分厚すぎる爪甲肥厚症例は不適応)
  3. 爪が伸びてきたら、バネを奥にずらし再利用が可能
  4. 半年程度同じものを使用できる
  5. 自由診療だけど1個2000円くらい

 

正直、今のところ、まず嵌入している爪をニッパーで切除する

その後、外科手術

がスタンダードな島のフットケア

 

しかし、フットケア界では、深爪は御法度

 

時代に追いついていないなぁと思っていたところにこのマイスター

意外と巻き爪に困る島民は多い

そして糖尿病も多いので、糖尿病足病変患者がなんせ多い!

更にフットケアに精通した医療者がいない

 

ここ3ヶ月で下肢切断案件症例をざっと5人は対応した。

施設に訪問すれば必ず爪甲肥厚や爪白癬、胼胝種高齢者がいるし、発熱の3割くらいは下肢の蜂窩織炎

 

片っ端から爪切りと胼胝腫を処置していき、入院患者と周辺施設の足はだいぶきれいになったが、島といえど広い

外来を開けば数人は症状を訴えて来院してくる

 

重症敗血症に至る前の蜂窩織炎で対応できれば、、

蜂窩織炎に至る前の陥入爪処置や胼胝腫削りで予防できれば、、

陥入爪に至る前の巻き爪の段階で手が打てれば、、

 

巻き爪マイスターで陥入爪に至る足が少なくなり、

蜂窩織炎や足切断の症例が少なくなれば、QOLは更に良くなる。

 

そんな期待が持てる商品だった。

さっそく院長に交渉しよう。

 

 

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