近年ダイエットなどで話題の『MCTオイル』
正式名称は、
Medium-chain triglyceride(中鎖脂肪酸トリセリグリド)という。
ココナッツや魚に含まれる。
ダイエットにどんな効果があるのか?
- 脂肪燃焼スイッチの切り替え
- ケトン体生成による糖質制限効率化
- 満腹感の持続
中鎖脂肪酸の特徴である「エネルギー源として吸収されやすい」ことと「脂肪分解を促進してくれる(ケトン体を生成してくれる)」
ここで少し余談。
私は、1週間『断食』をしたことがある。
断食後のカラダのメカニズムを自分なりに調べて、1週間と期限付で始めた。
最初24時間でブドウ糖を使い切る。ブドウ糖が減少してきたタイミングで血糖値が下がり始めて空腹感に襲われるがまだ大丈夫。
次の48時間でグリコーゲン生成のために、脂肪からグリコーゲンを作成する糖新生が行われる。ヒトのカラダは血糖値を上げるホルモンはたくさんあるので、飢餓には満腹よりなれている。はずだが、当初計72時間はその切り替えがうまくいかないため(普段はグルコースが足りなくなったら、グルコールを補っているため脂質の異化に慣れていないと自覚している)、耐えがたい空腹感に襲われる(しかし、低血糖には到底ならない)。そして、72時間を超えた辺りから、無の境地と言わんばかりに空腹感から解放され、
「食べるっっって、、なに?」
と食事という概念すら否定したくなる。
この頃はきっと脂肪や蛋白の異化にカラダが慣れ、
どんどん体重が減少し、
ダイエットが成功する。
しかし、このまま食べないといつまでも食べないでいられる恐怖感が芽生え始めたことも有り、予定通り1週間で終了した。
体重は10kg程度減少した。
8日目に健康診断にて尿検査があり、脂肪分解の副産物であるケトン体が陽性を危惧したが、尿中ケトンは陰性だった。
が見事にリバウンド。
本題に戻る。
カラダに蓄積されている脂肪、いわゆる長鎖脂肪酸であるが、
長鎖脂肪酸(サラダ油等)は、吸収されると静脈やリンパ管を通り、脂肪・筋肉・肝臓で一回吸収・貯蔵される。ストックされた長鎖脂肪酸は、優先的に使用されるグリコーゲン(貯蔵エネルギー)が減少して初めてエネルギーとして使用される特徴があるので、グリコーゲンを消費しないと燃焼されない。
そのため、苦しいわりに成果が見えづらく、ダイエットが成功しにくい。
次にケトン体
ケトン体は、脂肪が分解されたとき肝臓から作られるエネルギー物質の総称で、
『アセト酢酸・βーヒドロキシ酪酸・アセトン』である。
本来主力エネルギーのブドウ糖が減少した時、2番手として脂肪が分解され始め、ケトン体が排出されブドウ糖と同じように作用される
絶食時のケトン体の脳活動における利用率は全体の60%だそう。
『体内のブドウ糖を減らし、脂肪が燃焼される順番を早める』
ことで体重減少を目指すということ。
しかし、ここからは上記の常識を覆す中鎖脂肪酸のパワー
L-カルニチンがなくてもミトコンドリア膜を通過できる特徴があり、長鎖脂肪酸と異なりリンパ管を経由せず血管から肝臓に流れる特徴がある。
つまりMCTオイルの中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸とは違い脂肪になりづらく、ブドウ糖より優先的に吸収されエネルギーとして吸収される。
どういうことか。
体はまずエネルギー効率の高い中鎖脂肪酸から使用していくことで、貯蔵した脂肪まで燃焼しやすくなるらしい。
しかし糖質制限していないとブドウ糖消費を優先させてしまうので、カラダをだまし続けるためにも糖質制限とのコラボが効果的。
さらに、脂肪を優先しエネルギー源にすることで、体内にはブドウ糖が残存し満腹感も継続する!
もちろん、適度な有酸素運動をすれば、脂肪燃焼モードなので運動がそこまで辛くなく、脂肪燃焼効率も増加する
療養病棟での長期経腸栄養患者にMCTオイルを使用すると、髪の毛が若々しくなったり肌つやがよくなるそう。褥瘡の経過も改善するとか。
栄養吸収の悪い短腸症候群でも、中鎖脂肪酸が相乗効果で長鎖脂肪酸を1:1で吸収、燃焼してくれるメカニズムがあり、半々で摂取するとエネルギー吸収が良いとのこと。
すごい、MCTオイル