今回は尿路感染症にfocusを当ててみる

肺炎と並んでよくよく出会うcommon中のcommon disease
その分パターン化しがちだが、落とし穴に落ちることがあるので注意
尿路感染症ポイント
多くはsexual activityのある女性の単純性膀胱炎
そして膀胱炎では発熱は認めない
発熱があれば、尿路感染症(腎盂腎炎、急性前立腺炎、精巣上体炎)の合併を考慮
難治性の膀胱炎や男性の膀胱炎は、複雑性尿路感染症を疑い精査
一般的に、患者さんから排尿時痛や残尿感の訴えがあったり、膀胱留置カテーテルを留置中の患者さんの尿からの異臭や混濁などで、尿路感染症を疑うきっかけになることが多いだろう。
尿路感染症を疑ったときには、
『患者背景』
『経過』
『尿Gram染色』
この3本を必ず確認したい
まず、患者背景
高齢者の発熱 や 若年女性の発熱 で尿路感染症を疑う
#腎盂腎炎 ・急性経過の発熱
・側腹部痛
・CVA叩打痛 の確認
#急性前立腺炎 ・急性経過の発熱
・下部尿路症状(頻尿や排尿障害等)
前立腺の圧痛【63%】 1/3は圧痛無しに注意
ハイリスク患者
○前立腺肥大症○前立腺癌の既往○性感染症既往
○免疫不全○泌尿器科処置等
CQ:PSAを用いるかどうか
PSA≧4ng/mLは感度69%、特異度96%で前立腺炎を示唆
所見で判断がつかず疑うと菌は用いても良いかも
■検査
血液検査、尿検査、尿Gram染色、尿培養、血液培養
カテ留置中、悪性腫瘍、尿感染症治療中では、尿培養陰性且つ血液培養陽性となるリスクが上昇する点に注意(通常は5%程)
尿Gram染色は抗菌薬の効果判定にも有効!
※プラス循環不全徴候を認める場合は、敗血症に準じる必要あり
補液負荷、1時間以内の抗菌薬投与
腹部エコーやCT検査で欠席性腎盂腎炎や腎膿瘍など複雑性要素の評価も忘れず
他画像検査
水腎症や腎形態評価→ERエコー
重大な尿路以上のリスク因子
○腎結石症の既往○尿pH≧7.0○eGFR≦40ml/min
1つでも認めれば、感度93-100%,特異度59-62%で緊急処置が必要
→CT
■治療
基本的に、腸内細菌属(E coliやKlebsiella)をカバー
first chiceとして、CTRX(セフトリアキソン)1g1dayが有名
ここで落とし穴
腸球菌はセフェム無効
セフェム無効(Enterococcus(GPC)・嫌気性菌)
→尿Gram染色でGPC貪食像がみえるかみえないか
→見えればABPC/SBT or ABPC
ESBL産生腸内細菌はCTRX無効
→CMZ,TAZ/PIPC,MEPM
※ESBL産生E coliによるUro sepsisに対して、ホスホマイシンとメロペネムのRCT進行中
急性前立腺炎では、淋菌などのカバーも
→DOXY(ビブラマイシン)
●●尿Gram染色を基準に●● 貪食像がなければ無症候性細菌尿
中型~大型のGNR→E coli や Klebsiella
→CTRX or CMZで開始 (ESBLにはCMZ)
小型GNR→緑膿菌
→CAZ or CFPM or AZM
短鎖(2-3連鎖)の大きめGPC
→腸球菌(Enterococcus spp.)を考慮しペニシリン系
必ずGram染色でfollowを行い、効果が乏しい場合はescalationを考慮する
過去の尿倍の結果を参考にもできる
今回の培養結果と4-8週間前の培養結果の一致率57%
32週以前の一致率49% と大体半分は同じらしい
■効果判定
尿路感染症に特異的なパラメータとして、
【局所】
尿路症状(排尿時痛、頻尿、尿閉)
CVA叩打痛 骨盤痛 尿Gram染色所見 尿検査
【全身】
倦怠感
最も早期に反応を示すのは、Gram染色
抗菌薬投与後数時間~編に稚児には尿中細菌の変性・減少あり
他は72時間程度で改善し始めることが多い
上級者は敢えて狭いスペクトラムで開始し数時間後に尿Gram染色で継続・変更を判断している
■抗生剤投与期間
経過良好であれば、
腎盂腎炎は7-10日間
急性前立腺炎は軽症例2週間-重症例4週間 程度
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