離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

貧血の鑑別 網状赤血球数 千分率?

貧血定義

男性Hb<13g/dl・女性<12g/dl

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高齢者の10-20%で貧血があるらしい

その原因は、

鉄、葉酸ビタミンB12の栄養欠乏によるもの1/3

慢性炎症、腎性貧血が1/3

それ以外が1/3

 

貧血のアセスメントは、

『貧血の頻度からの鑑別』

『網状赤血球、LDH、平均赤血球容積(MCV)から鑑別』

などがある。

 

良くあるのは栄養障害によるもの

若年女性の編血では殆どが月経による鉄欠乏性貧血

栄養障害では上記以外に銅欠乏や亜鉛欠乏でも貧血となる

 

★鑑別のポイント★

●急性経過なら兎にも角にも出血してないか考える

●頻度から、栄養障害(#鉄欠 #ビタミンB12欠乏 #葉酸欠乏)から始める

●MCV<75fL小球性 #鉄欠 #サラセミア #先天性鉄芽球性貧血

●MCV>115fL大球性 #B12欠乏 #葉酸欠乏

LDH上昇・間ビ上昇あれば#溶血 #無効造血

●赤血球産生能亢進がなく、LDH性状、MCV75-115fL 

 #鉄欠 #慢性炎症 #甲状腺疾患 #薬剤性

●これ以外の場合、骨髄異常→骨髄穿刺

●多系統の血球減少→早期から骨髄検査

 

もう1 step 検査項目としては、

●MCV<80fL→Fe、TIBC、フェリチンの測定

●80≦MCV≦100fL→網状赤血球数→Fe、TIBC、フェリチン

●MCV<100fL→ビタミンB12葉酸、エピソード

 

MCV正常の正球性貧血時や赤血球産生能の評価には、【網状赤血球数】を測定する。

網状赤血球とは、

赤芽球が脱核したばかりの赤血球で、24〜48時間の間に通常の成熟赤血球になる。

赤血球の寿命は120日なので、正常な状態(失われる赤血球≒新しく産生される赤血球)では赤血球の約1%程度が網状赤血球になる

 

赤血球に対する百分率(%)あるいは千分率(‰)で表すことが多いが、割合(%や‰)ではなく、絶対数での評価が重要になる

 

網状赤血球絶対数=全赤血球数×網状赤血球割合(% or ‰)

網赤血球の正常値(成人)は、

網赤血球割合:0.5〜1.5%(5〜15‰)/網赤血球絶対数:2.5〜7.5万/μL

 

当院では、網状赤血球数の検査項目は%。と無理矢理パーミルの表示をしている

例:RBC391万/μL Hb10.9g/dL 網状赤血球数15.8‰

  391 x 0.0158 = 6.1万/μL これが網状赤血球数!

 

骨髄が正常に機能していれば、貧血状態では足りない分を補うために、エリスロポエチンが上昇し赤血球の産生量が増加する。つまり、網赤血球絶対数は増加する。

貧血があるのにそれに見合った網赤血球増加がない状態は、骨髄が正常に機能していないことを意味する。

 

‰ パーミル

単位を調べてみると、

パーセント(ppc) 1%

パーミル    10‰

パーミリアド  100‰。

ピーピーエム  10000 ppm (百万分率) million

ピーピービー  10000000 ppb (十億分率) billion

ピーピーティー 10000000000 ppt (一兆分率) trillion

ピーピーキュー 1E+13       (千兆分率) quadrillion

ppmからは一気に0が増えるんだなぁ。。