離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

排尿自立支援加算 200点

尿道カテーテルに包括をあてたチーム、それが排尿ケアチーム

 

意外と尿道カテーテルの留置期間に関して関心を持っている医師は少なく、漫然と挿入されているケースは少なくない。

実際の調査でも、施設入所中でカテーテル留置中の利用者で調査したところ、入院していた病院からのサマリでも留置した理由は書かれていないことが多く、なぜ留置されているのか分からない状態で多くの利用者が療養していたとのこと。

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ムダに留置されたカテーテルは尿路感染症を惹起するだけでなく、ADL低下、認知機能低下などを合併する可能性があり、抜ける管は抜かなければならない。

 

そこで、包括的な排尿ケアを行った場合に、患者1人につき、週1回に限り12週を限度 として所定点数に加算できる診療報酬が生まれた。

排尿自立支援加算 200点(週1回)

 

[施設基準]

(1)保険医療機関内に、以下から構成される排尿ケアに係るチーム (以下「排尿ケアチーム」という。)が設置されていること。

  1. 下部尿路機能障害を有する患者の診療について経験を有する医師
  2. 下部尿路機能障害を有する患者の看護に従事した経験を3年 以上有し、所定の研修を修了した専任の常勤看護師
  3. 下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験を有する専任の常勤理学療法士又は専任の常勤作業療法士

 

(2)1.に掲げる医師は、3年以上の勤務経験を有する泌尿器科の医師又は排尿ケアに係る適切な研修を修了していること。なお、他の保険医療機関を主たる勤務先とする医師(3年以上の勤務経験を 有する泌尿器科の医師又は排尿ケアに係る適切な研修を修了した医師に限る。)が対診等により当該チームに参画しても差し支えない。

(3)排尿ケアチームの構成員は、区分番号に掲げる外来排尿自立指導料に係る排尿ケアチームの構成員と兼任であっても差し支えな い。

(4)排尿ケアチームは、対象となる患者抽出のためのスクリーニング 及び下部尿路機能評価のための情報収集(排尿日誌、残尿測定) 等の排尿ケアに関するマニュアルを作成し、当該保険医療機関内に配布するとともに、院内研修を実施すること。

(5)包括的排尿ケアの計画及び実施に当たっては、下部尿路機能の評価、治療及び排尿ケアに関するガイドライン等を遵守すること。

 

排尿ケアチームが活躍している施設を見学させてもらったことがあるが、だいたいの流れとしては、留置カテーテル抜去に伴う尿閉を来しそうな症例やその既往がある症例、また抜去後尿閉となり再留置を検討している症例などを確認した看護師からチームへ依頼が入る。

院内にはマニュアルが作成されており、看護師は自動的に残尿測定を行い、残尿○○○ml以上なら導尿、以下なら経過観察し、次回排尿時○○○や何時間後導尿し○○○といった具体的なチャートに基づき排尿ケアを行っていく仕組み。

 

看護師が自動的に動けるようにするのも理由が有り、主治医に連絡が行くと

「とりあえずカテーテル留置しといて」

となってしまい、振り出しに戻ってしまうことが多いからとのこと。

現場で見ている看護師、取りれに連れて行く看護師、出なくて困ってる悩みを共感する看護師の方が、親身になって悩みを解決したいと思う気持ちを汲んでくれている気もした。

 

チームとしては、週1ラウンドし月1委員会を開催する。

他eラーニングなどで全体周知を促している。

 

チーム開始直後は、頻回な残尿測定や導尿で業務がかさみブーイングもあったようだが、必要性や患者のメリットを考え組織で動くことで徐々に浸透していき、今では看護師が自ら残尿測定を行い排尿日誌を記載し、毎日のようにコンサルトが来るという。

 

チームで活動するということで、病院全体への意識付けにも関与し、スタッフのレベル向上に繋がっていると感じた。

 

離島では、規模が小さい分、留置カテーテルの症例も多くはない。

指定の研修を受けた看護師が応援の泌尿器科と連携し、リハビリと連携することで、この加算を算定することができるだろう。

施設側の診療報酬の算定が見込める活動に関しては、積極的に取り入れている。

 

是非島内の基幹病院でレベルの高い排尿ケアを行い、不必要なカテーテル留置患者を無くしたいものだ。

 

ちなみに、残尿測定器だが、私が知るのは2機種

キューブスキャンとブラッダースキャン

キューブスキャンは小画面がついていて、エコー画像がみれるし壊れにくい。

ブラッダースキャンはスイッチ1つで自動測定しれくれるが、充電中のバランスが悪く倒れると壊れてしまう。最初の1回目は補償があるが、2回目以降は再購入しなければならない。

 

どちらもお高い商品。壊れにくい方が好まれるよね。

 

 

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