ようやく”離島”というキーワードでNPの実際を紹介します。
まず、NPの大先輩に言われていた格言。。。
「NPは看護業務を手伝ったらだめ。」
当初、そう言われた時には、ピンとこなかったが、アレコレ苦労してNPのパイオニアとして試行錯誤の結果生み出された答えなんだろうと思い、心にしまっていた。
先輩の解釈としては、
看護師と働き方を区別しなければ、NPとしての価値がぶれてしまい、埋もれてしまう。
我慢して、手を出したくても、割り切るべきといったニュアンスだった。
そして年月が経ち、僕もNPとなり、離島に来て思うこと。
”医者も少ないけど、看護師も少ない”
指導医(副院長)の先生からは、
●患者を数人担当して診療経験を積んで欲しい
●院内の特定行為にある医行為は全て任せる
●応援に来ている医師の業務がスムーズになるように、外来や手術を手伝う
といったNP業務と、
○外来の看護師が少ないから暇な時は手伝って欲しい
○手術室の看護師が長期休暇に入っちゃったから、手伝って欲しい
といった、通常の看護業務の応援依頼。
常勤医数人に研修医数人、大多数応援医で賄う離島の基幹病院で、看護師業務はNPとして価値がぶれるから手を出さないでいよう。
こんな考えでは通用しない。
できれば通常の看護業務はしたくないし、NPとしてどんどんスキルを身につけたい。
制度化されたり人数がいる病院では、通常看護業務はしないだろう。
確かに医師業務でもやることはたくさんある。
応援医や研修医の交代時期には、いくら直接患者引き継ぎをしていても、検査や治療が遅れる。
研修医が少ない時期には、常勤医の受け持ち人数は2倍3倍に増え、院長までフルで診療している。
外来(21時まで)、救急当番(24時間)、宿当直、訪問診療、学校検診、ヘリ搬送
病棟では、IABP,PCI,化学療法、出産・・・
ただし、看護業務も手が足りず看護部長が外来で仕事をしている。
離島でのNPの働き方・・・
患者を数人担当し日々カルテを書きながら必要な検査や処方を行い、
その間に依頼があったPICCや気切・胃瘻交換などの特定行為を行い、
自分が出した検査は自分で検査室に連れて行き、連れて帰る。
はたまた、
麻酔導入を行い、OP外回り業務をこなしながら、維持、離脱を行う。
応援の外科医が予定通りの飛行機で帰れるように、
直接介助をし閉創からはNPがバトンタッチし、
外科医は次の患者の執刀に。
外来で手がかかる処置はNPに振り、外来の時間短縮に。
多くの医師から、貴重な機会を与えてくれる。
オールマイティすぎるオールマイティが求められる場所なのかもしれない。
それがつとまるかつとまらないかはNP個人のキャパシティに依存する所も多いだろうが、それを見事に勤め上げて、NPがいなければまわらない、そう言われたら成功だろう。