離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

APTTの調整法

ヘパリンの使用方法について

Ann Intern Med 1993: 119: 847-81より

 

①まず、ヘパリンを80単位/kg ワンショット静注

②その後ヘパリン18単位/kg/hrで持続点滴投与を開始

③6時間後に血液検査でAPTTをcheckし、その結果により以下参照

APPTT<35sec

 80単位/kg/hrを静注

 その後持続点滴を4単位/kg/hr UP

 

APTT35-45sec

 40単位/kgを静注

 その後持続点滴を2単位/kg/hr UP

 

APTT46-70sec(治療域)

 

APTT71-90sec

 持続点滴を2単位/kg/hr DOWN

 

APTT>90sec

 1時間持続点滴を中止

 その後持続点滴を3単位/kg/hr DOWNして再開

 

④APTTが2回連続で治療域に達するまで6時間毎に③を繰り返す。

⑤APTTが2回連続で治療域にあればAPTTのcheckは24時間毎で可能。

 

 

症例

#急性下肢動脈閉塞 Bw:40kg APTT正常

 

ヘパリン開始

①80単位x40kg=3200単位を静注

  ヘパリン5000単位5ccだから、3.2cc bolus

②18単位x40kg=720単位で持続点滴開始

 ヘパリン10000単位/50ccだと、200単位/cc

 720÷200=3.6cc/h 持続点滴3.6ml/hr

③6時間後APTT 50sec さいこー

④6時間後APTT 120sec あぁぁぁ

 1時間持続点滴中止

 その後3単位x40kg=120単位/hr 減量して再開

 720単位-120単位=600単位

 600÷200単位=3.0ml/hr 持続点滴3.0ml/hへ

④APTT 60sec

④APTT 50sec よしっ

⑤以後24時間後に。。

 

うちのAPTT正常範囲 26~38sec だから

38を基準にして、1.5倍すると、

39~57sec

 

でもだいたいは、APTT正常値30secとして、

2倍すると、

60sec

これを目安に考えてるDrが多い様子。

 

血液検査も6時間毎なんて一般病棟じゃ大変

超厳密でなければ1日毎でも良さそう

 

目指せ、凝固管理マスター

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