離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

診療看護師(NP)と特定看護師

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この診療看護師(NP)におけるおおまかな制度の流れは、10年前に草間朋子先生(元日本NP学会初代理事長、現東京医療保健大学副学長)が、大分県立看護科学大学学長時代に大分県での医療問題から我が国におけるNPの必要性を唱え、世界のNPを視察し大分県で始めたのが始まり。診療看護師(NP)の養成大学は、大分から始まり、東京、愛知、北海道等々全国に広まり、まず診療看護師(NP)となる看護師が日本に誕生した。

 

その後、厚生労働省日本医師会日本看護協会など様々な団体と交渉を重ね、医師の働き方改革や無給医などの問題緩和の背景もあり、看護師の特定行為が制度化された。

現在の特定行為は21区分38行為あり、最近の診療看護師(NP)養成大学ではそれとは限らないが、当初診療看護師(NP)は認定時全ての特定行為の実践が可能となり、特定行為研修制度の方は21区分38行為の中で、習得したい特定行為を選び、それが習得できる養成施設(病院、短大、大学等々)で学ぶ。

 

そして誕生したのが、特定行為研修を修了した看護師、いわゆる特定看護師である。

 

この二つの看護師制度の違いは、養成期間、養成内容、資格化など様々。

◆特定行為

診療:基本的に21区分38行為全て実戦可能

特定:選択した行為のみ可能(呼吸器関連・創傷管理関連・在宅慢性期領域などパッケージ化されていることが多い)

 

◆養成期間

診療:2年(修士号獲得)

特定:最短6ヶ月(修士号獲得なし)

 

◆養成内容

診療(臨床推論能力、英語論文読解能力、特定行為研修)

特定(習得する特定行為に関連した臨床推論能力、特定行為研修)

 

◆資格化

診療:日本NP教育大学院協議会による認定

特定:研修修了証

 

◆更新制度

診療:5年毎実務内容、学会点数等提出

特定:なし

 

日本NP教育大学院協議会からしてみると、NPの方が学ぶ期間も長く幅広く勉強しているし、修士号だし、更新制度で質を担保してるから、診療看護師(NP)を特定看護師と一緒にされては困る。差別化を!というイメージ。

 

しかし、診療看護師も特定行為を実践できるという意味では特定看護師でもあり、現場のスタッフからしたら、NP資格を取得しているかしていないかよりは、特定行為ができるかできないかの違いの方が重要で、差別化は必要ないのかもしれない。