感度・特異度 について紹介します。
人間の体はみんな違ってみんな良いなので、ある病気に罹患し検査を受けた時に、絶対!必ず!反応があるわけではない。
その確率論を説明するのが、これらの言葉である。
ある検査の結果(陽性)で、
本当に疾患がある場合を P
ある検査の結果(陰性)だったけど、
本当は疾患がある場合を Q
こうした場合、 【感度】 は
P
P+Q となる。
即ち、
その検査の 【感度】 とは、その疾患だった人を集めてある検査を行った結果、陽性だった人の割合ということになる。
なので、
『感度が高い検査というのは、その疾患があれば陽性となる確率が高い 』
という風に考える。
臨床では 【感度】 が高い検査は、
『除外診断』 に使うことができる。
次に、特異度
ある検査の結果(陽性)なのに、
本当は疾患がない場合を R
ある検査の結果(陰性)で、
本当に疾患がない場合を S
こうした場合、 【特異度】 は
S
R+S となる。
即ち、
その検査の 【特異度】 とは、その疾患でなかった人を集めてある検査を行った結果、本当に陰性だった人の割合ということになる。
なので、
『特異度が高い検査というのは、その疾患がなければ、陰性となる確率が高い 』
という風に考える。
臨床では 【特異度】 が高い検査は、
『確定診断』 に使うことができる。
ナースのための臨床推論で身につく院内トリアージ にわかりやすい説明が載っていたので、一部参考に。
■ある検査をフィジカルアセスメントに置き換えて臨床現場に落とし込むと、、
「Aさんに胃管チューブ挿入して。胃泡音確認できたら経管栄養開始して。」
このように指示する医師から指示を受けたことはないだろうか?
しかし、胃管チューブを気管に誤挿入し、栄養投与後誤嚥性肺炎で亡くなられた事故を耳にしたことがあるように、胃泡音が聞こえたからといって胃内に留置されていないこともある。
研究してみた結果、、
胃泡音が聞こえた(陽性)時に、
本当に胃内に留置された 239人
胃泡音が聞こえなかった(陰性)けど、
本当は胃内に留置された 31人
胃泡音が聞こえた時に胃内に留置された時の 【感度】 は
239
239+31 = 89 ⇒ 感度89%。
胃泡音が聞こえた(陽性)んだけど、
本当は胃内に留置されていない 19人
胃泡音は聞こえなかった(陰性)し、
本当に胃内に留置されていない 12人
胃泡音が聞こえた時に胃内に留置された時の【特異度】は
12
19+12 = 39 ⇒ 特異度39%。
よって、
胃泡音が聞かれた時に、89%の確率で胃内に留置されているが、
11%の確率で胃内に留置されていない(T_T)
胃内に留置されてるけど胃泡音が聞こえなければ放射線画像で確認するなど別の方法をしたり、やり直したりするだろうが、
胃泡音が聞こえたのに胃内に留置されていないことがあるというのは、見逃せない。
胃泡音は胃内に留置されているという証明にはならない。
原文はこちら。
Boeykens K, Steeman E, Duysburgh I : Reliability of pH measurement and the auscultatory method to confirm the position of a nasogastric tube. Int J Nurs Stud 51 (11) :1427-1433,2014
次回は、尤度比について紹介します。
看護師の臨床推論① は こちら
看護師の臨床推論③ は こちら
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参考書
・ナースのための臨床推論
徳田安春
メディカルフレンド
・ナースのための臨床推論で身につく院内トリアージ
伊藤敬介
Gakken
・ICNR いま再びのフィジカルアセスメント
Gakken
・看護の臨床推論
ケアを決めるプロセスと根拠
Gakken
・ジェネラリストのための内科診断リファレンス