離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

# 膿胸 続き

夜間、主治医が家族に再度連絡してくださり、胸腔穿刺の同意取得。

 

2人の指導医に見守られながら、手厚いフォローとアドバイス

“なんてありがたい“

“ここに来る前は夢のような話“

“特定行為すら大してできなかったのに“

 

エコーで確認。5cmはある。

局麻して肋骨上縁をツンツンつつきながら胸膜を貫通。

出血なし!

思った通り、かなりの膿性胸水。。

滅菌スピッツに分注してくださる指導医たち。

 

・・・「くさっ!」

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においを嗅ぐまでもなく、部屋中かなりの悪臭。

1週間くらい風呂には入れなかった人の足の裏。

 

その先生達も、ここまでの胸水は経験がないと。

良い経験をさせてもらった。

 

一通り終えて、手を洗って、

「グラ染しません?」

 

久しぶりや~とかいいながら、この細菌の海に興味津々な様子。

チャッチャッチャと染色して乾かして、気がつけば検査室全体が悪臭。

俺悪くないけど、なんかごめんなさい。

 

顕微鏡を覗く。

 

なんかピンクでぼやけてるなぁ。

指導医がモニターで見ていると、だんだん焦点が合ってきた。

 

「わっ!!!」

 

そこにはおびただしい数の細菌。

 

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いや、密どころでない。

そこはまるで、天の川。

好中球もたくさん出勤中。

倍率を上げていくと更に驚愕。

さらにおびただしい数の細菌。

ピンクでグラム陰性菌

丸っこいのもいれば長めのもいる。

 

Bacteroides fragilis group

嫌気性菌だろう。

 

抗菌薬は現在の抗生剤で増悪はしていないため、薬剤感受性結果を待てると判断。

 

#不明熱の原因がわかった瞬間て気持ちいい。

#だってその人はきっと発熱から解放され快方へと迎えるのだから。

 

 

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