次は、リフキシマ 【一般名リファキシミン】
2016年11月発売 難吸収抗菌薬(海外では30年以上前~)
5年前!笑
リフキシマ・・・言いにくい そして忘れやすそう
Rifaximin(一般名)に由来し、Intestinal flora-Modulating Agent(腸内細菌叢を調整する薬剤) ・・・微妙。。
そのリフキシマは肝性脳症のみに適応を持った抗生剤
感染症じゃないけど抗生剤◎
なにに対して抗生剤を使うのか?
ターゲットは「腸内細菌」
そう。肝性脳症の原因のアンモニア発生源は腸内細菌である
Clostridium 属菌、Bacillus 属菌、Streptococcus 属菌、Bacteroides 属菌、Escherichia coli(E.coli)、Proteus mirabilis(P.mirabilis)等らしいがよくわかっていないそう
ちなみに、、
Wikipedia先生によると、
Clostridium difficile(クロストリジウム・ディフィシル)という健常者の腸管内に少数生息している細菌が引き起こす感染症をCDIと呼ばれていたが、 2016年、表現型、化学分類学、系統発生学による分類に基づいて、新しい属としてクロストリディオイデス属(Clostridioides spp.)と名称変更になったのはご存じだろうか?笑
肝性脳症は肝硬変により、門脈に迂回ルートができてしまうことでアンモニアが代謝されず、血中を巡るために高アンモニア血症となる
アンモニアを下げるためには、
◆蛋白制限 ◆便通注意 ◆合成 2 糖類投与 ◆アミノ酸製剤投与 ◆カルニチン投与 等々
適応外だと、◇腸管内のアンモニア発生阻止
これには、カナマイシン(適応外)が使われていた
この領域に適応された初めての薬がリフキシマ
腸管で抗菌作用を示せばいいので、吸収される必要はない
(理想・・・bioavailability 0%)(経口VCMでもbioavailability 4%程度)
カナマイシンは吸収されると出現頻度不明ながらも有名な副作用:難聴が出る可能性があるため、吸収率は低いほうが良い・・
リフキシマ、カナマイシン共にほとんど吸収されないとの記載があるが、完全に吸収されないわけではなく、カナマイシンは連用により難聴の報告がある
まぁより安全にという意味でも、
リフキシマの適応は肝性脳症による高アンモニア血症のみと限定されていることからも、
リフキシマは肝硬変診療ガイドラインでもエビデンスレベルAとされていることからも、
肝性脳症にはリフキシマがいいのだろう。
用法は
1錠200mg を1日3回 2錠ずつ服用
副作用は、
偽膜性大腸炎や便秘下痢等
ただしこのリフキシマを調べていて思った。。。
『これいつまで処方すれば良いの?』
1錠204円・・1日6錠
1日約1,200円・・1カ月で約36,000円(保険負担3割の方で約10,000円の負担)
肝硬変状態が改善する可能性がある人ならやめどきが来るかもしれないが、Child Cの患者などは、一生飲み続ける?偽膜性腸炎になるまで飲み続ける?ラクツロースのみで行けそうならやめる?
少なくとも年単位・・
リフキシマは肝性脳症に有効
肝性脳症にはラクツロースで効果なければリフキシマ
海外では、下痢型の過敏性腸症候群(日本人も10%~15%)に1回550mgを1日3回2週間で症状が改善した報告(NEJM)あり、数年後には色々な腸の病気に使われているかもしれない
ただし、長期投与に関する、明確なデータがない・・
何例かつかってみないとなんともいえない
リクシアナ(エドキサバン)との取り違えによる死亡事故もあるようなので注意
2017年10月、製造販売元である第一三共とあすか製薬が注意喚起