離島医療を離れ最前線の現場に立つと、知らない医療機器、使ったことのない薬剤とたくさん触れ合う機会があり、日々初めましての繰り返しで調べないといけないことが山積していく。。
これもまた人生。
今回は、輸液編
その名も『アクチット』聞いたことも使ったこともなかった。
見返せば、皆が持ってる【大塚製薬の輸液・栄養製品組成早見表】には書いてあった。
以前紹介した、『レジデントのための これだけ輸液』
には登場してなかったので、アドバンス輸液といったポジションということにしておく。
このアクチット。。
指導医から糖尿病症例の維持液に使えということで巡り会えた。
はじめまして。アクチットさん。
まだ使用経験が浅いので、DIから教えてもらう。
以下アクチット、DIより引用
見ての通り、組成は3号液
ソルデム3Aさんと同じクラス
普段からソルデム3Aさんを愛用していて、3号液クラスには競合となる生徒はいなかったのだが、今回アクチットさんが転校してきた。感じ。
アクチットさんの特徴
ずばり『マルトース入り』
マルトースの特徴・・・
インスリンに依存することなく細胞膜を通過し、組織内で2分子のブドウ糖となり利用される!
ということは、インスリン分泌が不足している、もしくはインスリン抵抗性の糖尿病症例において、ブドウ糖の吸収が阻害されることなく、高血糖となることが少なく、投与できるということ。
禁忌としては、
- 高カリウム血症,乏尿,アジソン病,重症熱傷,高窒素血症の患者
→血清カリウム値が上昇しそうな症例
- 高リン血症,低カルシウム血症,副甲状腺機能低下症の患者
→血清リン値が上昇しそうな症例
→血清マグネシウム値が上昇しそうな症例
には投与しないとのこと
投与速度は、通常成人ではマルトース水和物として1時間あたり0.5g/kg体重以下(年齢・症状に応じて適宜増減)
その他の注意として、血糖測定に影響を与える可能性があるとのこと
グルコース脱水素酵素(GDH)法を用いた血糖測定法ではマルトースが測定結果に影響を与え,実際の血糖値よりも高値を示す場合があることが報告されている。インスリン投与が必要な患者においては,インスリンの過量投与につながり低血糖を来すおそれがあるので,本剤を投与されている患者の血糖値の測定には,マルトースの影響を受ける旨の記載がある血糖測定用試薬及び測定器は使用しないこと。
このGDH法の測定器、一覧を見る限り結構あるので、アクチットさんを採用している施設は自施設の血糖測定器を一度確認した方がいいです。
実際アクチットさんを使用した症例は、文字通り元気になって食べれるようになって良かった。
維持液の幅が広がりました。
投与後患者に活力が生じることを願い、「元気のよい」ことを意味する active から Actit と命名。