離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

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18年ぶりの新薬!抗アルツハイマー病薬『アデュカヌマブ』

2021年6月7日、アメリFDAにて新薬が承認された。

 

アルツハイマー病の新治療薬『アデュカヌマブ』

アメリカの製薬会社「バイオジェン」と日本の「エーザイ」共同開発です

 

原因と考えられる脳内の異常なタンパク質「アミロイドβ」を減少させ、アルツハイマー病の症状の進行を抑える

アルツハイマー病は、「アミロイドβ」が脳に蓄積し神経細胞を壊すことが原因と考えられており、『アデュカヌマブ』はこの「アミロイドβ」を取り除く薬

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取り除くことができれば、神経細胞の破壊を防止しアルツハイマー病が進行するのを抑える効果があるとのこと

アミロイドβに作用する治療薬は世界初

 

これまでのアルツハイマー病の治療薬、ドネペジルやメマンチンなどは、脳の神経細胞の破壊を抑制することはできず、残った神経細胞を活性化させ数年程度進行抑制する間接的治療だったのに対し、『アデュカヌマブ』は、「アミロイドβ」を取り除く効果が認められ、アルツハイマー病の進行そのものの進行を抑える直接的治療効果が期待されると言う意味では、作用機序も新しい。

ただ、「アミロイドβ」を取り除くことができても一度壊れてしまった脳の神経細胞を元に戻すことは難しく、これまた『進行抑制』が中心で可能な限り早期介入が必要

 

どんな治験が行われたのだろうか?

治験対象は、【MCI=軽度認知障害】とアルツハイマー認知症の初期の1600人

《アデュカヌマブを少ない量で投与するグループ》

《多い量で投与群》

プラセボ群》  でスタート

月に1回、1年半にわたって投与して認知機能を追跡し中間解析で有効性が確認できず、一旦治験中止に。

しかし製薬会社は折れなかった。

最終的に試験を終えた人たちのデータを加え再解析をしたところ、認知機能の低下が22%抑制されたという結果にたどり着いたらしい。また、アミロイドβが、59%から71%減少していることも確認。

会社によりますと治験では、途中で計画が一部変更され、多い量を投与する人が増えたため、効果の確認につながったらしい。

 

日本では、2020年12月に厚生労働省に承認の申請が出され審査中。

今回の承認は「迅速承認」で、効果が認められない場合には承認を取り消すこともあるとのこと。。

 

うーん。。。

アルツハイマーの原因がアミロイドβなのかが不透明な中で、アミロイドβに対する介入がどこまで治療効果があるかという点や、一旦中止となった治験が最後まで進み再解析した望み通りの結果の解釈にまとまったという辺りがなんとなく怪しい。

アメリカで既に患者への投与が始まっており、治療効果がどれほどあるのか気になるところ。進行抑制という効果である以上、ある程度期間を設けて従来と比較する必要があるという視点からは、だいぶ時間がかかるだろう。

機序は分かっていないが、結果認知機能が保てるならメリットはありそう。

日本の製薬会社と共同開発なので情報は入りやすいだろうから、動向を見ていこう。

 

 

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