2型糖尿病治療薬であり世界初の経口GLP-1受容体作動薬「リベルサス錠」が2021年2月5日発売開始となった。
ちゃんと離島にも届いています。
僕の指導医がバンバン切り替えているので、prospectiveに研究しようか迷い中
【使い方】セマグルチド(遺伝子組換え)
- 1日1回3mgから開始
- (4週間以上投与した後)1日1回7mgに増量する(1日1回7mgが維持用量)
- 1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgに増量することができる(増減可)
【薬価】
オゼンピック皮下注0.25mgSD 1547円/キット(1日あたり221円)
オゼンピック皮下注0.5mgSD 3094円/キット (1日あたり442円)
オゼンピック皮下注1.0mgSD 6188円/キット(1日あたり884円)
リベルサス錠3mg:143.20円
リベルサス錠7mg:334.20円
リベルサス錠14mg:501.30円
新薬なので高いのは当たり前だが、それでも注射より安上がり
皮下注射が経口薬になるんだから、手軽に使用できてhappy!!
と思ったら、意外とそうでもない。。
【注意点】
- 糖尿病治療薬先発起用のDPP4阻害剤とは併用できないので、選手交代で使用する
- 服薬の仕方が厳しい
- 意外とでかい
【服薬の仕方】
- 1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約120mL以下)とともに3mg錠又は14mg錠を1錠服用
- 服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食を避けること
- 服用時及び服用後少なくとも30分は、他の薬剤の経口摂取を避けること
- 分割・粉砕及びかみ砕いて服用してはならない
- 投与を忘れた場合はその日は投与せず、翌日投与すること
う~ん。むずい。まるでビスホス
フォサマックDI
- 本剤は水のみ(Ca、Mg等 の含量の特に高いミネラルウォーターも禁)で服用すること
- 水以外の飲み物を避けること
- 服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食を避けること
- 服用時及び服用後少なくとも30分は、他の薬剤の経口摂取を避けること
- 起床してすぐにコップ1杯の水(約180mL)とともに服用すること
- 分割・粉砕及びかみ砕いて服用してはならない
- 本剤を服用後食事を終えるまで横にならないこと
皮下注の手順と同等のめんどさ、いや皮下注よりめんどいかも
患者に説明するなら、
「朝ごはんの前にコップ半分の水でこの薬だけ飲んで、その後水も食事もしないで朝の準備をして、30分経ったら食事して他の薬を飲んでね」
他にα-GIとか飲んでたら、
「朝ごはんの前にコップ半分の水でこの薬だけ飲んで、その後水も食事もしないで朝の準備をして、朝ごはんの10分前にα-GIを飲んで、食事して他の薬を飲んでね」
更にビスホス飲んでたらその日は最悪の朝に、、
「朝起きたらコップ1杯の水のビスホス飲んでずっと座ってて、その後朝ごはんの30分前にコップ半分の水でGLP1飲んで、その後水も食事もしないで朝の準備をして、朝ごはんの10分前にα-GIを飲んで、食事して他の薬を飲んでね」
まさに地獄
ただでさえ忙しい朝に分単位で動くのなんて絶対無理!
ビスホスなんてだいたい高齢者だから、理解してもらうのもむずい!
ビスホス入ってたら経口GLP1は無理だ。
結局どっちか注射に
注射の手技がめんどうだったりできない高齢者に使用するのも困難
働き盛りの成人に朝のしばりをつけて飲んでもらえるかも不明
結局の所、経口GLP1の対象者は、
認知機能がしっかりした大きい薬も飲めるビスホス飲んでない高齢者か、生活習慣を見直し全力で治療に望み自らの糖動態を細かくチェックしている成人かな。
それでも選択肢が増えたのは確か。
注射剤に抵抗のある患者さんにとっては朗報
コストパフォーマンスも高い
うまく使えるか使えないかは、あなた次第です。