病棟管理の話
入院患者の下痢は誰しも経験があるだろう
今回は経腸栄養患者の下痢の考え方を整理
定義
1日3回以上の水様便(ブリストルスケール⑥⑦)
1回水様便が出ただけでは下痢とは言わないので注意
下痢になったらどうするか?
まずは『原因検索』
1.投与速度
投与速度が速すぎる場合が結構多い。
対策としては、投与速度の見直し
重要なのは、中止しない
10ccでも20ccでも少量腸管内にいれ腸粘膜の脱落を防ぐこと
2.薬剤性
浸透圧は血中浸透圧の10倍以上の2000~3000にも
対策は原因薬剤の中止
3.感染
CD toxinやウイルスによる腸炎
対策は細菌性なら抗菌薬の投与
おそらく大体これらに当てはまる
そうでない場合、、
経腸栄養側の原因を考える
Ⅰ.浸透圧
経腸栄養の浸透圧が高すぎる場合、下痢になることがある
メーカーによっては浸透圧が記載されていない栄養剤もあり怪しさ満載
またエレンタールは成分栄養剤として多用されているが、浸透圧700-800と結構高いので注意
対策は経腸栄養の変更を
Ⅱ.栄養剤の汚染
イルリガードルなどに入れてdripする場合、2~3時間くらいで細菌増殖が進み汚染されてしまう。
対策としては、専用バッグになっている栄養剤への変更や投与速度の見直し
栄養剤に困ったら、最もスタンダードなエンシュアなどの栄養剤で一旦リセットし、立て直すと良い。