離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

これからの時期注意が必要 熱中症

この時期、南国は熱い。

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そして台風も多い。

台風被害で停電、断水。

すると、次々脱水症や熱中症での搬送に▶▶▶

 

南国Emergencyの1つ

熱中症について基礎知識と使える知識を整理

 

熱中症の定義 Heat illness

暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称

暑熱による諸症状を呈するもののうちで他の原因疾患を除外したもの

 

熱中症は従来、

熱失神(heat syncope)、熱痙攣(heat cramp)、熱疲労(heat exhaustion)、熱射病(heat stroke)と分類されていた。

しかし、現在は、対処の時期によって刻々と状態が変化し症状分類でとらえると診断および治療介入が遅れることがあるため、近年では重症度によってⅠ~Ⅲ 度に分類することで一連の症候群ととらえるよう改定された。【2015 年日本救急医学会

重症度

■Ⅰ度(従来の熱失神・日射病・熱痙攣) 軽症

※一瞬の失神は認めても意識障害は認めない

めまい・失神(立ちくらみ)・生あくび・大量発汗・強い口渇感・筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)

症状が改善傾向にあれば現場での対応で可能

 

■Ⅱ度(従来の熱疲労) 中等症

※軽度の意識障害(JCS≦1)

頭痛・嘔吐・倦怠感・虚脱感・集中力や判断力の低下

速やかに医療機関へ受診・搬送

 

■Ⅲ度(従来の熱射病) 最重症

※Ⅲ度熱中症では障害臓器をⅢC、ⅢHK、ⅢCHKDのように追記

中枢神経症状(C)・肝(H)・腎(K)・血液凝固異常(D)などの臓器障害を呈する

極度の高体温、皮膚の紅潮、発汗停止、ショック、意識障害、けいれん

D血液凝固系の異常である播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併すると予後不良

 

治療

現場での対応『FIRE』

F(fluid) 水分補給

I(icing) 冷却

R(rest) 暑熱環境の回避と安静

E(emergrncy) 緊急事態の認識 119番通報

 

医療機関での対応

高体温の時間が長くなると神経学的予後が不良となるため、深部体温(鼓膜温・直腸音等)で38℃台になるまでは積極的な冷却

脱水に対しては、

細胞外液輸液を行い、症状に応じた対症療法を行う

 

冷却方法

体外冷却法

脱衣、室温低下、室温水又は微温湯の噴霧と送風、冷却ブランケット、氷嚢による頸部、腋窩、鼠径の冷却

 

体内冷却法

冷却輸液、体腔冷却(胃・膀胱への冷水注入)、血管内冷却カテーテル、体外循環等

 

高齢者は口渇中枢機能低下のため脱水を来しやすく、腎機能障害を来しやすい

口渇感がなくても十分な水分補給を行うように伝える必要がある。

また、高齢者はエアコンの使用を控える傾向にあるが、発症予防には適切な室内温度調節が重要であることを伝える。

若年者と高齢者では熱中症の発症様式が異なる(労作性熱中症と非労作性熱中症)点にも注意

 

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