離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

ラクテート 単位に注目!

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ラクテートは、乳酸の解離で生じる陰イオンで、グルコースの細胞内代謝産物。

正常時は、肝臓で代謝されるため、

成人の正常値は、

 

 0.56~1.39 mmol/L 

 

ざっくり1~2mmol/L

いや、1~2 mmol/L

数字をざっくりさせた分、この単位 mmol/L まで覚えなければならない。

 

嫌気的なエネルギー産生(解糖)時に、骨格筋細胞、赤血球、脳や他の組織で産生される。

ラクテートは細胞内液でピルビン酸から生成され、

乳酸脱水素酵素LDH)がその生成反応を触媒。

 

グルコースからピルビン酸への変換では、解糖系と呼ばれる13の酵素反応が連続して起こる。

通常、十分に酸素化されたミトコンドリアを含む組織細胞では、

ピルビン酸はミトコンドリア中に入り、

クエン酸回路、酸化的リン酸化を通して、

二酸化炭素と水、エネルギー供給体であるアデノシン三リン酸(ATP)に代謝

 

しかし、体が危機的な状況、低酸素状態やミトコンドリアの機能不全が起こると、

生体はATPを産生させるために、仕方なく効率の悪い嫌気性解糖を選択する。

効率の悪い嫌気性解糖のせいで、ATPを強引に生み出した結果、ラクテートという予期せぬものがおまけでついてきて、通常の分解スピードよりも速く蓄積していく。

 

4mmol/Lを越えると死亡率が上昇!!

 

昔は、 mg/dl という単位だったが、国際単位に数年前から変換されている。しかし、昔の測定器を使用しているところは、いまだにmg/dlで測定されるため、単位の変換が必要。

 

mg/dL ×0.11101 = mmol/L

 

mmol/L ×9 = mg/dL

 

なので、先ほどの正常値にmg/dlを並列すると、

1~ mmol/L⇒ 9~18 mg/dL 

 

 

ラクテート “LA” が上がる原因◆

低酸素による嫌気性解糖

  • ショック
  • 重症呼吸器疾患
  • DIC
  • 貧血

ミトコンドリア機能不全による嫌気性解糖

  • 重症肝不全(乳酸の代謝低下)
  • エタノール糖新生異常)
  • 全身けいれん(代謝亢進)
  • 喘息発作(呼吸筋での乳酸産生増加)
  • アルカローシス(糖代謝酵素活性上昇による乳酸産生増加)