離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

NP・研修医 おすすめ本⑫ 成功するためのノウハウ

AI分析でわかった トップ5%社員の習慣 Discover AI分析でわかった トップ5%社員の習慣【電子書籍】[ 越川慎司 ]価格:1650円 (2021/6/16時点) 楽天で購入 ふと書店に立ち寄りたまたま手に取ったこの1冊 この本は、医学書ではなくビジネス本 一般社員の中か…

自衛隊島外搬送でのNPの役割

離島医療において、搬送はなくてはならない最終手段である。 日中はDr.ヘリに医師、看護師同乗で来島してくれるので、離島スタッフの同乗の必要は無い。 しかし、悪天候や夜間などDr.ヘリが飛べない時間帯は、自衛隊ヘリが搬送手段となる。 自衛隊の航空機に…

医療の進歩 ステントグラフトと人工血管置換術

私が心臓外科病棟にいたのは10年も前になる 10年も経てば医療は進化する 今回は、医療の進歩を実感した体験を少し 大動脈瘤は部位により胸部大動脈瘤あるいは腹部大動脈瘤と呼ばれ、治療法としては、人工血管置換術もしくはステントグラフト内挿術(血管…

感染対策○コスパ○ ディスポの内視鏡!?! 

離島にはもちろんないが、2019年10月1日より世間ではシングルユースの気管支鏡が発売されていた! 画像:Ambuサイトより引用 製作元はAmbu社 しかも第4世代のシングルユース気管支鏡らしい 感染対策とはいえ、なんでもディスポ・ディスポになっていくのがすご…

認知症対応力!?認知症ケア加算 40点~160点

令和2年度診療報酬にて改定された新たな認知症ケア加算 そもそも認知症ケア加算とは、認知症による行動・心理症状や意思疎通の困難さが見られ、身体疾患の治療への影響が見込まれる患者に対し、病棟の看護師等や専門知識を有した多職種が適切に対応すること…

麻酔の壁 What's フルストマック

予定手術の患者は、胃内容物をなくし麻酔中の嘔吐、誤嚥を防止するために、術前は絶飲食となる。 フルストマック(ful stomach)患者とは、 『緊急手術で絶飲食時間が不十分である患者』のこと イレウスなどの通過障害のある患者や妊婦などもこれに該当する。 …

吸入麻酔と静脈麻酔の違い

現在の手術麻酔において、吸入麻酔と静脈麻酔を組み合わせたバランス麻酔や完全静脈麻酔など、それぞれ麻酔科医や診療看護師、麻酔看護師が症例に合わせて施行している。 それぞれの麻酔法のメリットデメリットを把握し適切な麻酔法を選択しなければ、安全な…

点滴▶経口抗菌薬へ切り替え時の注意点

一般的に、点滴から経口抗菌薬の使用を促すことで、コスト削減や入院期間の短縮をさせることができるといわれている。 しかし、病原微生物と対象臓器を対象に考えれば良かった点滴抗菌薬から、経口抗菌薬へ切り替える際には、もう1つ大きなチェックポイント…

奄美・沖縄 が世界自然遺産への登録へ

奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島において、【アマミノクロウサギ】や【イリオモテヤマネコ】など固有種や希少種が多くの種が生息していることから、世界自然遺産への登録が妥当とのこと。7月から開催される世界遺産委員会で決定される。 2018年に登録…

尿路感染症の落とし穴 尿Gram染色の重要性

今回は尿路感染症にfocusを当ててみる 肺炎と並んでよくよく出会うcommon中のcommon disease その分パターン化しがちだが、落とし穴に落ちることがあるので注意 尿路感染症ポイント 多くはsexual activityのある女性の単純性膀胱炎 そして膀胱炎では発熱は認…

意外と重要臓器 脾臓の機能

なくても生きていける臓器に代表される脾臓。 一昔前までは、胃の手術の際に脾臓も摘出することがあり、脾臓がないヒトが健康に生活している。 しかし、脾臓がないと困ることも。 脾臓の機能のおさらい phagocytic filter(老化しダメージを受けた細胞、血液…

【雷鳴頭痛】 症例報告 診断から問診へ

73歳男性 診断 #小脳梗塞 MRI DWI右小脳~後頭葉 高信号 ADC map 同部位 低信号 左目半盲 Barre徴候/Mingazzini左 陽性 触覚・温痛覚は体幹顔面ともに異常無し 胸部Xp n.p. 撮影前に10秒程度右上下肢強直間代発作 指鼻指試験 陽性 踵-膝試験 陽性 頭部CT bl…

感染症診療 耐性菌対策!発熱・CRP・WBCからの脱却!

ヒトは長きにわたり病原微生物と生死をかけた追いかけっこをしている レジデントのための感染症診療マニュアル 第4版 菌:GNR(グラム陰性桿菌) 人:→抗菌薬 菌:→ESBL獲得(抗生剤の耐性化)進化 人:→カルバペネム(より強い抗菌薬) 菌:→CRE(カルバペネム…

どっちがどっちか忘れる ASTとALTの違い

超メジャーな血液検査である、【AST】と【ALT】 上昇していたら肝機能が傷害されているなぁと考えることはもはや常識。 ただ、この2つの違いを説明できるだろうか? AST と ALT の大きな違い これをはっきりさせておくと思考の幅が広がる。 AST、A…

COPD治療の落とし穴 抗コリン薬の副作用に注意

COPD治療に使用されるkey drugの代表格といえば、LAMA(Long Acting Muscarinic Antagonist(長時間作用型抗コリン薬)) COPD治療には、重症度分類において、LAMA+LABAやICS+LABA+LAMA等が使用される。 重症度分類A群では、症状に応じて、SABA,SAMA、LAB…

NP・研修医 おすすめ本⑪ 処方薬

症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け改訂版 改定版羊土社 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け改訂版 [ 藤村昭夫 ]価格:3960円(税込、送料無料) (2021/5/19時点) 世の中多くの薬剤が開発され患者に使用されている。 下剤1つをとっても複数のジ…

新型コロナウイルスには納豆で十分だった?!?!

最近、長崎大学の研究グループから報告され、 5-アミノレブリン酸とやらが、ある一定の濃度以上でCOVID-19のウイルス増殖を100%阻害したという研究報告をされている。 5-アミノレブリン酸は5-ALA(5アラ)と呼ばれ、赤ワインや納豆などの発酵食品に含まれ、ま…

フェブキソスタット v.s. アロプリノール febuxostat v.s. allopurinol

尿酸治療薬のfebuxostat(フェブリク)とallopurinol(ザイロリック)、どちらも尿酸生成抑制薬であり高尿酸血症のfirst choiceに使用されるメジャーな薬剤だ。 フェブリクは1日1回、ザイロリックは1日2~3回服用と言うことも有り、フェブリクの方が使い勝手…

生涯現役!あの日野原重明先生もNPの制度化の重要性を訴えていた!!

100歳を超えても現役医師で有り続けた、誰もが知る聖路加国際病院名誉院長の日野原先生。 看護業界では、使用していない人はいないであろう、 「系統看護学講座 解剖生理学」の著者でも有る。 そんな日野原先生は、生前、聖路加病院にて海外のNPと仕事をされ…

褥瘡治療戦略 軟膏の選択編

褥瘡診療において、外用薬の選択は必須 適切な軟膏を使用しないと、治す傷も治らない 軟膏の基礎知識 軟膏の構成は、『基剤』と『主薬』 特に、外用療法においては、基剤の選択が重要となる。 前回お伝えした、褥瘡治療戦略、Wound Bed Preparation 中でも重…

あったら便利!!医療現場でのスマートウォッチの活用法

ドンドン進化するスマートウォッチ 私は王道のApple watchを使用している 最新機種はHR(心拍数)だけでなく、SpO2(血中酸素濃度)が測定できるようになった。ラシイ 私は普段仕事使いをしているので、医療現場で使える活用例を実践を元に紹介 現在使用している…

NP関連学会紹介 フットケア

世の中増える関連学会 増えたりまとまったり、本会だったり地方会だったり、それぞれ登録費と参加費が違ってややこしい 今回はまず、フットケア関連の学会の紹介 日本フットケア・足病医学会➕地方会 一般社団法人 日本フットケア・足病医学会 第3回日本フッ…

NP・研修医 おすすめ本⑩ 糖尿病

ここが知りたい! 糖尿病診療ハンドブックVer.5 ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブックVer.5 [ 岩岡秀明 ]価格:4180円(税込、送料無料) (2021/5/12時点) 中外医学社 2021年3月出版の最新版 通常の糖尿病治療として、 基本的な問診から、 非薬物療法、 薬…

NP・研修医 おすすめ本⑨ フットケア

フットケアと足病変治療ガイドブック 第3版 フットケアと足病変治療ガイドブック 第3版 [ 一般社団法人 日本フットケア学会 ]価格:3740円(税込、送料無料) (2021/5/12時点) 医学書院 これは、日本フットケア学会から出されているフットケア全般のガイドブ…

NP・研修医 おすすめ本⑧ フットケア

足爪治療マスターBOOK 足爪治療マスターBOOK [ 高山かおる ]価格:6600円(税込、送料無料) (2021/5/12時点) 全日本病院出版会 世にも珍しい、おそらく唯一この1冊 足の爪のみで完成された医学者です。 巻き爪や陥入爪の写真が多く使用され、 足の指の解剖生…

糖尿病合併症管理料 170点

糖尿病合併症管理料をご存知だろうか? 近年の糖尿病患者の著しい増加による糖尿病および合併症に関する医療費の増加から、糖尿病の合併症のうち、「足病変」は重点的な指導による発症予防効果があるとして評価された背景がある。 糖尿病足病変ハイリスク要…

我が国における診療看護師(NP)の完成形?! 批判的意見から

たまたまある記事を拝見しました。 いわゆる診療看護師に否定的な意見です。よくあります。 特に『看護』に熱い人からは嫌われます。 ミニドクターと言われ否定されることもあります。 それに立場上不安定なので仕方ありません。 また、法の『拡大解釈』とい…

離島の応援医制度 マイルセレブ★☆

今回も離島医療に関する話 離島医療は常勤医が少ない分、島外からの応援医を多数迎えている。 九州、関西、首都圏、日本各地から月1や週1でわざわざ時間を掛けて飛んできてくれる。 常勤診療科は3つか4つで、その他多くの診療科は非常勤で成り立つ。 定年…

島民の生命は島民で守る!? 島の輸血・献血事情

当直明けの空いた時間、一休みしてからなぜか献血に行くことが多い。 軽く一休みしただけで一晩寝たくらいあっという間に時間が過ぎるので、ちゃんと睡眠は取れている。 今回も5ヶ月ぶりに献血してきた。 現代の医学では人工血液が作成できないため、献血に…

Selick法とBURP法とは

気道確保時に頸部を圧迫している場面を見たことがある人は多いだろう どちらも頸部を圧迫する方法だが、目的が違う上記2法を説明 輪状軟骨圧迫はクリコイドプレッシャーまたはSelick法という Selick:セリックさんが始め、輪状軟骨(cricoid)を圧迫するため…