離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

特定行為講座 【糖質輸液又は電解質輸液の投与の調整】【脱水症状に対する輸液による補正】張度

細胞膜には水が通れる小さな孔があいている。 通常、他の物質は自由に通ることができない。 細胞膜の孔は半透膜の孔よりわずかに大きく、水以外に尿素が通ることができる。 細胞膜を介して水を移動させる力を、張度(有効浸透圧)と言う。 輸液を考える時に…

特定行為講座 【糖質輸液又は電解質輸液の投与の調整】【脱水症状に対する輸液による補正】浸透圧

浸透圧の考え方 浸透圧は物質の濃度に比例する。 濃度の単位は、mmol/Lを使う。 体内には陽イオン、陰イオン、電離しない物質が存在するので、 計算式 浸透圧=陽イオンの濃度の合計+陰イオンの濃度の合計+電離しない物質の濃度の合計 となる。 そして、全…

特定行為講座 【糖質輸液又は電解質輸液の投与の調整】【脱水症状に対する輸液による補正】血管内脱水と細胞内脱水

脱水の鑑別として、どこの水が足りてないかを考え、どこに水を補充するかを考えることが重要 低Na血症の鑑別にも重要だが、これが難しい。 まずは、血管内脱水 いわゆる細胞外液量減少 所見としては、 頻脈 Capillary refill timeの延長 ツルゴールの低下 口…

特定行為講座 【糖質輸液又は電解質輸液の投与の調整】【脱水症状に対する輸液による補正】mEq/L 電解質の単位について

モル mol 懐かしい響き。説明できる看護師は少ないのではないだろうか? 粒子の数を表すmol 1mol=6.0x10の23乗個 そして、molに電荷をかけたものがEq(equivalent) Naは電荷1なので、1mol=1Eq Caは電荷2なので、1mol=2Eq 臨床ではmをつけたmEq(メック)を使う…

炭酸脱水素酵素阻害薬の機序

電解質がわかれば体の中がわかる。 ということで、利尿薬関連でおさらい。 今回久しぶりに使用した、炭酸脱水素酵素阻害薬の機序から復習。 重炭酸イオン[HCO3-]は糸球体で濾過され、そのほぼ全てが近位尿細管で再吸収される。 尿細管腔のHCO3-はそのまま…

インスリン単位量の考え方

スケール指示など人それぞれ単位数の決定方法はあると思うが、指導医に教わった簡便な考え方を紹介。 基本 インスリン初期量を 0.2~0.5単位/kg/日 と設定 60kgの人には、12単位~30単位/kg/日 となる。 低血糖リスクが高い人には、少なめから開始し、リスク…

離島の台風事情

台風が来るたび、 「災害級の被害」 「次のは本当にやばい」 「命を守る行動を」 実際に最接近した際は、ボンネットが飛んでいく、雨戸を閉じても隙間風で窓ガラスが割れる、海水面が上昇し浸水する、病院の看板が折れるなど被害は甚大だが、大抵は少しそれ…